2004

泪にさえも戸惑うことなく願いを歌う

わたしが朝井リョウをすきな理由

映画 ピンクとグレーを今更ながらみた。
原作も読んでたけど、見終わってのなんとなくの気持ち悪さが朝井リョウの本を読んだあとのものに似ていた。

わたしの勝手な感覚として加藤シゲアキ朝井リョウは似ている。気がする。


大学生の頃、朝井リョウにだだハマりしてひたすら読んでた時期があった。
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朝井リョウのなにがすきって、たぶん、読んだあとの罪悪感、気持ち悪さ、後味の悪さ。

『何者』と『もういちど生まれる』がそれをより感じられる作品だと思ってるんだけど、読んだあとプラスな感情も少し生まれるところからわたしは『もういちど生まれる』の方が好き。

誰もが持ってるとまでは言わないけど、わたしの中にあるプライドとか驕りとか人を見下してる感覚とか言葉にできない気持ちとか、うすうす自分のなかにあることを知っていて知らないふりしてる、無意識に封印しようとしてる部分を朝井リョウはいとも簡単に提示してくる。
だから罪悪感とか気持ち悪さに繋がるんだけど、どこかでそういうものが自分のなかに存在してることを知ってるからすごくしっくりくるし、なぜか書いてくれてありがとうとも思う。もしかしたらそういうマイナスな部分があると言うことを誰かに認めてほしいのかもしれないななんて考えたり。

朝井リョウは人に見られたくない知られたくない感情を露にしておいてそれがいけないとか改めろとは言ってこない。いや、言ってるのかもしれないけどわたしには聞こえない。←
だから、提示されて自分のそれに気がついて、ぐるぐるしながら読み終わる。それが気持ち悪いけど気持ちいい。


朝井リョウすごいなあっていつも思う。何様だよって感じだけど。こういうのも朝井リョウにかかったらドキッとするような鋭い表現されそうだけど。
だからわたしは朝井リョウの作品がすき。

おすすめぜひどうぞ。